大正浪漫探偵譚





Story



東堂解という人間は、ひとことで言えば変わった人物だった。
彼は僕の大学の友人だった。
彼はいつも様々な分野の本を読んでいた。
本は彼の知識欲を満たすのに必要不可欠なものだったのだろう。
ある年、長期休みを利用して、僕の別荘に彼を誘った。
初めて乗る寝台列車に、彼はいささか興奮していたようだった。
彼が喜ぶという珍しい姿を見て、僕はとても嬉しかった。
皆が寝静まる夜中、列車の音だけが響くその閉ざされた空間で、事件は起こった。
今にして思えば、それが彼の始まりだった。
探偵東堂解は、ここから始まったのだ…




About



本作は大正時代を背景とし、大正浪漫を生きた和製シャーロック・ホームズ東堂解の探偵シリーズである。
大正時代の波乱の日本で、強く、そして優雅に生きる人々の生活を活写し、犯罪組織、政府の陰謀をフィクションとして描くエンターテイメント推理劇。
大正浪漫と呼ばれた優雅で気品溢れる衣服、形式美を、現代の舞台美術、衣装美術において
創作、創造し、総合芸術としての舞台を作り上げ、芸術文化としての新たな演劇活動を展開し、大正という激動の時代との邂逅を企図している。
大正のシャーロック・ホームズ東堂解が難事件を解く新たな大正推理劇の金字塔!
高密度のスピード感溢れる推理劇が幕を開ける…